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4 ルイーズ・ブルジョワについて日本語で読める文献 その1

ルイーズ・ブルジョワについての日本語で読める文献としては、①1997年横浜美術館で開催された展覧会のカタログと、②私が20年前に勤務先の大学の論叢に書いた論文「ルイーズ・ブルジョワ作<私はつくる、ほどく(壊す)、やり直す」と、③絵本『ルイーズ・ブルジョワ 糸とクモの彫刻家』があります(このほかにもあるかもしれませんので、もし読者でご存じの方がいらしたらご教示下さい)。①と②についてはいつかご紹介しますが、今日は③についての入り口だけ。下に画像があります。

綺麗で豊富なイラストは、ルイーズのデッサンを元に描かれたもの。テキストはあまり長くないし、絵本の限界なのか、大人の世界のことを10歳くらいの子供たちに話して聞かせているように、少し単純化されたルイーズの生涯と作品についての物語になっています。

美術史家としては、イラストの元になっているルイーズのデッサンを探し、生涯の物語が本当はどんな点でもっと複雑だったのかを示さなくてはならないのですが、これには案外手間と時間がかかりそうです。

 

注 従来女性芸術家は名前で、男性は姓で記す習慣がありました。クロード・モネは「モネ」と呼ばれるのに、ベルト・モリゾは「ベルト」という風に。それに対する批判が今では一般化しつつありますが、ルイーズ・ブルジョワの場合、「ブルジョワ」というのがどうしても「ブルジョワ階級」を連想させますので、このブログでは「ルイーズ」と呼びます。

ルイーズ・ブルジョワ 糸とクモの彫刻家 大型本 – 2018/10/23 イザベル アルスノー (イラスト), Amy Novesky (原著), Isabelle Arsenault (原著), エイミー ノヴェスキー (著), 河野 万里子 (翻訳)(amazon)